

『
☆アニマル・トラックス☆』の
Cielさんよりお預かりしているチョウゲンボウの
イギー。
普段は
Cielさんの希望通りのメニュー、そして体重で僕が
イギーを飛ばし、
週に2回くらい
Cielさんと二人でトレーニングしています。
今日は一緒にトレーニングする予定でしたが、
年末から崩している体調がまだおもわしくないとのことで、
僕一人でトレーニングになりました。
今の
イギーに関しては大きなハードルがあって、
ルアーリングで「3回以上」旋回させることができないのです。
あきらめてすぐに地面に降りてしまいます。
一人の場合だと、2回周ればいいほうです。
で、今日も変わらずルアーに対する反応はいいのですが、
それが持続せず、なんとか1周半……といったところです。
ひとまず、エアー・キャッチでルアーを掴ませたので、
インターバルをおいてもう一度……とルアーに付いた肉を食べさせていました。
すると、急に視界の外から小さくて黒い影が飛び込んできて、
一生懸命ルアーの肉をかじっている
イギーと重なりました。
「キィ~~~、キィ~~~、キィ~~~~ッ!!!」
悲鳴をあげる
イギー。
そして、
イギーに馬乗りになっているのは、
なんと野生のチョウゲンボウでした。
野生のチョウゲンボウは目の前に人間がいるというのに、
イギーの背中を掴んで放そうとしません。
僕が大声をあげるとようやくイギーから爪を放しました。
開放され、逃走をこころみる
イギー、
それを追いかける野性のチョウゲンボウ、
さらにその後ろから奇声を発しながら走って追いかける人間……という図式。
50mほど飛びましたが、
野生のチョウゲンボウのプレッシャーに負けて、
イギーは地面に降りてしまいました。
さらにその上から再度馬乗りになる野生のチョウゲンボウ。
もみ合う2羽に何とか追いつき大声で威嚇すると、
野生のチョウゲンボウはやっと近くの電柱へとあきらめて飛んでいきました。
地面にうずくまる
イギー。
怪我はないだろうか?
幸い差し出したルアーにはすぐに飛びつき、
なんとか落ち着きを取り戻しはじめました。
ルアーに付いた肉をかじり始めた
イギーを見て、
電柱から飛び立ち、
さらに攻撃を加えようという姿勢の野生のチョウゲンボウ。
あわてて
イギーに覆いかぶさり、
ジェスを握って据え上げようとすると、
野生のチョウゲンボウはUターンしてさらに遠くの電柱に戻りました。
ホッと胸を撫で下ろす僕と
イギー。
徐々に食欲を取り戻したので、
しっかりと食べさせてあげました。
また、背中に乗られていたので外傷を確認する事ができませんが、
しばらく
イギーの様子を注意深く確認するつもりです。
それにしても、
これまでハヤブサのトレーニングをしていて、
チョウゲンボウに威嚇されることはあっても、
実際に掴まれることはありませんでした。
ちなみに、
イギーに関しては威嚇すらされていませんでした。
僕らはトレーニングしやすいから……と、
開けたフィールドを求めて鳥を飛ばしていますが、
そこには先住者がいて、テリトリーもあるのです。
厳しい冬を死に物狂いで生活している彼らの領域を侵しているのです。
このような洗礼を浴びるのも当然のことかもしれません。
トレーニング・フィールドについて、
もっと考えなくては……。
それにしても、『野生』って凄いな。
あらためて、そう思いました。